春に寄り添う龍
3
俺は頭を左右に降る。
「じゃあ、何故ここにいる」
「――――――――」
ただの通りすがり、と言いたいけど声が出ない
「ふん。まぁいい。行くぞ、お前ら」
《りゅうじん》と呼ばれた男は俺を抱えると歩き出した。
「りゅ、龍仁さん、そいつどうするんですかっ!?」
後ろから男が怖い顔で近づいて来た。
「ひっ!!」
その恐ろしさのあまり、俺を抱えてる(いや、持ってる?)《りゅうじん》の首にしがみついてしまった。
「シズル、怖がるだろ、こいつが」
「あ、すいません!」
シズル、と呼ばれた人は腰を90度に曲げて謝った。
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