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スレツナ暴走劇 連載中
『風呂場』






俺は朝から恐ろしいものを見てしまったが、ここで引いてしまったら意味が無い。

沢田綱吉が下に行った事を確認して、気づかれないように階段を降りた。




「ツッ君、おはよう!」

「おはよう、母さん。」


下に降りた沢田綱吉は食卓について、朝ごはんの支度をし始めた。

その隙に、俺は物影に隠れた。今のところ見つかってはいないみたいだが、見つかったら一貫の終わりだろう。



「さっき、外から凄い音がしたけど、どうしたのかしら〜。」


疑問そうに問いかける沢田奈々。やはり先程の音はでかかったらしい。・・いや、気付かないほうが可笑しいか。

しかし、沢田綱吉は笑顔で、

「近くで工事でもしてるんだよ。気にしなくても大丈夫だよ、母さん。」

と言った。
真犯人だというのに。

この猫被りめッ!!



沢田綱吉は朝食の準備を止め、沢田母の方に歩み寄る。


「あっ!母さん、お風呂溜めてある?今から入りたいんだけど。」


「あらツっ君、朝風呂?いいわよ。お風呂は沸いてあるから入ってきなさい。」



……ッ!?朝風呂だってぇ〜!!
いきなり何を言い出すんだ!コイツはッ……!!
ヤバい、鼻血がッ!!
…って何考えてんだぁぁーー!!!俺のバカァァァ!!!
これじゃあ単なる変態じゃねーかッ!!


落ち着け自分。落ち着くんだ。
俺は男の体なんて興味ねーんだし、ただ沢田綱吉は例外ってだけでー……


………駄目じゃんッ!!




俺がそうこう考えているうちに、沢田綱吉は着替えを持って風呂場に移動したみたいだ。


俺は慌てて沢田綱吉の跡を追う。もちろん誰に見つからないように。









風呂場。

沢田綱吉は洗面所で、服を脱いで風呂に入る支度をしている。

俺は沢田綱吉にバレない程度に洗面所の戸を少し開けて見ている。



……沢田綱吉の裸姿を見て正気でいられるだろうか不安だなー………。

……って!!馬鹿かッ、俺はぁぁーー!!!

さっきからどうした!俺ッ!!どうして男の体なんか見て赤面になってんだよッ…!!


そう、さっきから可笑しい。
何故か沢田綱吉の事になるとカッと顔が熱くなる。

俺は頭を冷やそうと少しボーとしてみる事にした。



………………

………………………

あぁ…でも、なんて細さだ。
こんなに細いと何かにぶつかったりしたら折れてしまうんじゃねーか?

本当にコイツ男なのか?

こんな体しててマフィアのボス候補だなんて大丈夫だろうか……。


……って!何考えてんだ!?
本日何回目だッ!?
沢田綱吉は敵なんだ!心配なんかしてんじゃねーよッ!!
その為の観察だろッ!
あぁ!でも胸の高鳴りが収まんねーッ!!
どうしてだッ!?


頭を冷やすどころか、頭がグルグルしてきた。
…熱でもあるのか?




ガチャンッ……


俺がテンパってる間に沢田綱吉は風呂に入っていった。


シャワーを使っているのだろう。
激しい水の落ちる音が洗面所にまで響いてくる。


こういう時の為に持ってきたんだよな〜。


俺は後ろに廻っていた鞄の中なら一つの小道具を取り出した。


見た目はいたって普通の眼鏡だ。
しかし、これはベルデの作品の一つでヤツからの借り物だ。


『千里眼』と言うらしい。


『千里眼』とは一般的には遠隔地の出来事や将来の事柄、隠された物などを見通す力の事だ。


しかし、これにはそういった力は無いらしい。

だが、代わりに建物を通り越して見たい物が見れるという力がある。



沢田綱吉の入浴タイムが見れなくても、これを使えば、入らなくても沢田綱吉の入浴タイムが見れるという事だ。
…という事で、この『千里眼』使っちゃいます☆


…とうとう人格まで壊れ始めたよ、俺。大丈夫か?しっかりしろよ、俺ッ!!
まぁ、いい。とにかく使って観察しよう。

俺は『千里眼』を掛けて沢田綱吉がいる風呂場に目をやった。



どうやら、沢田綱吉は体を洗い終わり、風呂に浸かっている。
『水を滴る良い男』の意味が分かった気がする。
…いや、違う意味で。

呑気に歌を歌い始める沢田綱吉。

あぁ、止めてくれ。
そんなに俺をおかしくしたいのかぁぁー!!


堪える為に目を閉じていると、いきなりブツンと沢田綱吉の歌声が聴こえなくなった。
どうしたのだろうと思い目を開け、その場を見たら沢田綱吉の他にも風呂に浸かっていたのだ。

変な房のような物を頭に付けているオッドアイの男。
たしか、こんな守護者いなようなー……。

あぁ、霧の六道骸だ。
ニッコリ顔で沢田綱吉を見ている。



……って!?なんでいるんだッ!!つーか、いつ入ったんだッ!?




驚いているのは俺だけでは無かった。
沢田綱吉、本人も驚いているようだ。目が見開いて黙って六道骸を見ている。


六道骸はというと、クフフなどとワケの分からない笑い声をしながら沢田綱吉の肩に手を掛けた。


ちょっ……!!何やってんだ!クソナッポー!!
てめぇ、守護者だからって調子にのるなぁぁぁーーっ!!


怒りを抑える為に服を両手で握り締める。



「沢田綱吉、今日こそは僕のモノにー………」


俺は六道骸の言葉にイラッとしたので、仕事を投げ出して殴りに行こうと思ったが必要無かったみたいだ。

六道骸が言い終わる前に沢田綱吉が六道骸を思いっきり殴ったのだ。



「……この変態ナッポーがッ!!」




鈍い音が風呂場に響き渡る。



ドカッ!バキッ!!ばっしゃーんッ!!




顔面直撃。さすがだ。

六道骸は「クフ〜!」と言って倒れ込んだ。


「…お前、牢獄でコポコポしてたよな?じゃあ水の中、馴れてるよな〜。」


ニコッと黒い笑みを浮かべる。またもや黒綱吉が降臨したようだ。
黒オーラ出しまくりの綱吉様はやはり怖い……。


六道骸は逃げたくても逃げられないのか、何故かその場を動こうとしない。
……と言うか、ウズウズしている。


……!!まさかコイツ、相当なマゾ男かッ!?
人の事はあまり言えないが、ここまでするとは……。


しかし、さすがは黒綱吉様。手加減無用で、骸を叩きのめす。


「この房引っこ抜くぞッ!腐れナッポー!!」

「あぁッ……!綱吉君、もっとぉぉ〜〜……ッ!!」

「……キモッ!!お前なんか一生牢獄にいやがれッ!!」

「クフ〜!それは出来ませ〜ん!!早く出て綱吉君のお婿さんになるのが僕の夢ですからぁ〜!!」

「誰がなるかッ!死んでも御免だぁぁーーっ!!」


言い合いを続けながら沢田綱吉は六道骸を殴る、蹴るを繰り返している。

今すぐに出ていかないと死んでしまうかもしれない……。
見ていると、とても切なくなるよ。

うん。なんか、ご愁傷様。


最初はムカついたが、今の俺は六道骸に同情していた。




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私の中の骸はとっても変態で、M夫です。
また出てくるかも・・。(笑)

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