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Descoledream
1

「おはようございます。執事さん」
「おはようございます。リカ様」

レイトンワールドにトリップしてから早一週間。
大分この新しい生活に慣れてきました。
私は、リカ。
トリップしてから何故かデスコールの養子として、彼の屋敷に住んでおります。

「デスコは?」
「旦那様はまだお目覚めになっておりません」
「ふゥーん…。また、遅くまで機械と戯れてたのかな」
「そのようでありますね」

苦笑する執事さん。
それに釣られて私も苦笑。

「じゃあ、私が起こしに行きますわ」
「では、お願いします。私(ワタクシ)は朝食の準備をしてきますので」
「はァーい」

執事さんと別れ、デスコールの寝室へと向かう。
彼の寝室は3階の一番奥の部屋。
因みに私の部屋は同じく3階。
階段を上がったすぐ目の前の部屋だ。

私の部屋を通りすぎてデスコールの部屋の前に立つ。
此処でノックするのが礼儀なのだが、そんなのはお構い無し遠慮なく扉を開ける。
ベッドがある方を見ると、こちらに背を向けて寝ている山を発見。
トコトコとベッドに近づき、ギシギシとベッドを進み、ドスッと山に跨がる。

「うっ…!?」
「おはようございます。旦那様、起床のお時間でございます」

執事さんがいつも言う台詞をデスコールに言ってやる。

「重い、退け…」
「それ、ちょっと傷つくんですけど」
「…執事はどうしたんだ?」
「朝ご飯の準備」

凄く眠そうな声で不機嫌に聞いてくる。
まあ、今まで執事さんが起こしてたからね。

「デスコールって、寝る時も仮面付けてるの?」

今日、始めて起こしに行って思ったこと。
顔に仮面の縁の後が残ってる。

「…取るより前に寝てしまうんだ」
「どんだけ」
「そんなことはどうでも良いだろ。それより、早くそこを退け!」
「うわぁ」

無理矢理退かそうとするデスコールに何の構えもしていない私は横に倒れる。
退かしたら満足したのかまた寝ようと毛布を被り直す彼の腕を掴む。

「…何だ」
「寝ないでよ」
「私は、眠いんだ」
「夜更かししてるのが悪い」
「夜更かしではない。研究だ!」
「朝が起きられないんだったら同じだよ」
「……!」

何も言えなくなったデスコール。
私は腕を掴んだまま起き上がり、ベッドから出そうと無理矢理腕を引っ張る。

「い、痛い!離せ」
「じゃあ、起きて!」
「分かった。分かったから、離せっ…!?」
「……」

離せと言われて離した。
ベッドから半分以上出てたデスコールは床に落ちる。

「…貴様」
「ゴメン遊ばせ。悪気はなくてよ」(笑)
「あるだろう!」

今にも怒りだしそうなデスコールを宥めていると扉を叩く音が私達に聞こえた。

「「…!!」」
「お取り混み中失礼いたします。朝食の準備が出来ました」
「はァーい」

執事さんの言葉を聞いて私はさっさとデスコールを残して食堂へと行った。

私が出て行った後静かになった部屋。
デスコールと執事は暫く無言で立ち尽くしたままだった。

「……ハァ、何であんなのを引き取ってしまったんだ」
「賑やかになって宜しいではないですか」
「騒がしいのは嫌いだ」

執事は微笑んでいるだけだった。
それが何となく腹に立ち、本気で何故引き取ってしまったのかと自分を怨んだ。


END

20100921


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