闇夜の月
3
もぞもぞ…
まだ眠たいというのに私付きの侍女のユキナが朝早くから(多分)私に起きろと言ってくる。
「…な、に…ユキナ…今何時よ…」
多分まだ私がいつも起きる時間じゃないと思って、寝台の上で布団を頭まですっぽりと被ったまま起こしに来たユキナに文句を言った。
はぁ…とユキナがため息をつく音が聞こえる。
「今の時刻は7時でございます、サリア様」
ユキナが壁に掛かっている時計を見ながら言う。
「なんだ、まだそんな時間か…。まだ後30分も寝られるじゃない」
いつも、7時30分に起きているわけだからまだ寝ていられる。そう思った私は
おやすみ──
そう言って寝なおそうとしたら、ユキナに遮られた。
「サリア様、もう7時です。今日は、サリア様に会いに隣国の王太子様がいらっしゃる日でございますよ」
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