闇夜の月 2 ………………… チュンチュン・・・ 「───さま、サリア様、サリア様起きてください」 ユキナが声をかける。 いつもの事だが、ちっとも起きない。 さっきから、何回起こしているだろうとふと考える。 …というか、何分から起こし始めたかを考えた方がいいかもしれない。 確か、いつも起こし始めて30分は起きない…で、今日は7時にはどうにかしても起こさないといけないから…6時30分には此処にいた。 つまり、もう30分近くもこの寝室にいる事になる。 目の前にいる当のサリアはというとそんなことは露知らず、すやすやと眠っている。 いつもなら後30分は寝かさせてあげられるところだが、今日はそうもいかない。 「サリア様、そろそろお起きになってくださいませ」 申し訳ないと思いながらも少し音量を上げて声をかける。 [*前へ][次へ#] [戻る] |