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采は投げられた
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「マジ最悪だ‥‥」


どこぞの乙女か、俺は!
乃木が名前言っただけだぞ!
乃木が俺に触っただけだぞ!
なのに‥


「〜〜〜〜ッあ゙ぁ゙あーーー
何だか訳分かんねぇ!」



今だに心臓がバクバクいってんのも、考えがまとまんねぇのも、悶々として

むしゃくしゃしやがる!


髪をグシャグシャ掻き回してもスッキリする訳もなく
ここ屋上で悶えるしか出来ないでいた
あれから近くにいた野郎どもを、片っ端から蹴散らし散々暴れ回った後
俺に残ったのは疲労感と脱力感


(はぁ‥しばらくここで休もう‥‥)



そうだ‥今日は天気もいいし、のんびりと‥‥


「神谷ァァ!
今日こそは、ほんまブチのめす!!!」


ここで体を休めて‥‥


「いつも、いつもコケにしくさって!」


しばらく寝てれば腰の痛さも引くし‥‥


「聞かんかァァァァい!!」

「‥‥うっせぇ‥‥またお前か、じゃあ」

「寝るんやなァァァい!」



コイツうっせぇ!

いつも俺に喧嘩吹っかける割りには、
一発腹に蹴り入れただけで
すぐノビちまう金髪野郎

ナリは一端の不良
乃木ぐらいの身長で、強がった面構え
見てくれだけなら、きっとそこら辺の輩は近づかない

(俺にしたらコイツも弱ぇんだけど)


そんな相手にするだけ時間、体力の無駄にしかなんねぇ奴が

鼻息荒く、屋上に現れやがった


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