采は投げられた 1 「マジ最悪だ‥‥」 どこぞの乙女か、俺は! 乃木が名前言っただけだぞ! 乃木が俺に触っただけだぞ! なのに‥ 「〜〜〜〜ッあ゙ぁ゙あーーー 何だか訳分かんねぇ!」 今だに心臓がバクバクいってんのも、考えがまとまんねぇのも、悶々として むしゃくしゃしやがる! 髪をグシャグシャ掻き回してもスッキリする訳もなく ここ屋上で悶えるしか出来ないでいた あれから近くにいた野郎どもを、片っ端から蹴散らし散々暴れ回った後 俺に残ったのは疲労感と脱力感 (はぁ‥しばらくここで休もう‥‥) そうだ‥今日は天気もいいし、のんびりと‥‥ 「神谷ァァ! 今日こそは、ほんまブチのめす!!!」 ここで体を休めて‥‥ 「いつも、いつもコケにしくさって!」 しばらく寝てれば腰の痛さも引くし‥‥ 「聞かんかァァァァい!!」 「‥‥うっせぇ‥‥またお前か、じゃあ」 「寝るんやなァァァい!」 コイツうっせぇ! いつも俺に喧嘩吹っかける割りには、 一発腹に蹴り入れただけで すぐノビちまう金髪野郎 ナリは一端の不良 乃木ぐらいの身長で、強がった面構え 見てくれだけなら、きっとそこら辺の輩は近づかない (俺にしたらコイツも弱ぇんだけど) そんな相手にするだけ時間、体力の無駄にしかなんねぇ奴が 鼻息荒く、屋上に現れやがった [次へ#] [戻る] |