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采は投げられた
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「ふぅ〜サッパリしたぁ」


晩飯の後
喧嘩の疲れ、野郎どもからのよく分からねェ攻撃、嫌な事を風呂ですべて洗い流し、
上がった俺が目にしたのは

ソファーで横になり寝ている兄貴だった



「兄貴?おい‥」

「‥‥‥び‥ビームサーベル欲し、ぃ‥」


ハハッ!
何の夢見てんか聞かなくても、分かるな!

ヨダレを垂らし幸せそうな顔で寝ている相変わらずの兄貴


テメェ自身でも、マジ同じ血が流れてるとは思わねェ

長い睫毛に白い肌、柔らかい髪質
骨格からして細くて華奢
見れば見る程‥‥


(ヤバッ、やっぱ‥‥可愛い‥)


無防備なその姿は、誘惑の種そのもの
うっすらと少しだけ開いた唇から舌が覗き、それを見てゴクッと喉が鳴った


(今なら‥
掠める程度なら‥気が付かねぇよな‥‥‥
って、クソッ!俺は何考えてやがる!)


一瞬でも馬鹿な気を起こそうとしたテメェ自身をぶん殴りたくなる

これ以上、変な事を思わない様、兄貴から離れようとした俺に、呟きが聞こえた


「‥‥ぉ‥」

「ん?兄貴‥?」


兄貴に近寄った時、はっきりと耳に聞こえた言葉は‥


「‥‥ともぉ〜」

「ッ!」


(あの、野郎ォォォォォ!)


愛しの人から発せられたのは、憎きメガネ野郎の名前だった


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