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采は投げられた
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「感謝するならまだしも、恋のキューピッドに殴るなんて、酷すぎますよー!」

「何が、キューピッドだ!」


こんな、たわいもねぇやり取り
いつもと変わらねぇ市にホッと安心もする

テメェ自身の事でいっぱいいっぱいな昨日は
結局、市に連絡取る事なくオちた
だから‥‥


「つーか、市はあの後‥‥大丈夫だったのかよ?」


気になってなかったと言えば嘘になる


「はい!僕は、平気ですよーー!」


ん?僕‥は?

市のその言葉に引っ掛かりを感じ
じゃあ誰が‥‥?そう聞く前に


「あッ!」

「「げッ!!!」」


市の上げた声
何を見たのかと思い、視線の先にあるもの追っていけば

そいつと俺は同時に口を開けていた


「茶髪!!」

「神谷!!あッ!!
そッ、そそそそそ、惣さん!!」


惣‥さんダァァァァ!!?
市を見て確かに茶髪は、そう言った


「体は平気ですかー?」

「あ、ああぁあ‥‥‥
はい‥へ、へへ‥平、気です‥」


蛇に睨まれたカエル‥

市が茶髪に近付くだけで、ビクビクと強張り
逃げ出したいのに、それが出来ねぇ茶髪
虎が‥‥


「今日も一緒に帰りましょーね!」

「ーーッ!!‥‥は、はい‥‥」


昨日の見る影もねぇ

ナリの小さい市ではあるが、コイツに何をしたかなんて聞かなくても


想像は容易に出来た


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