[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
5
「おいメイ、いい加減藤代を離せッ」

「ちょっ、ユウ?なに怒って?
ッ、んなに睨むなって!
いやいや俺、不可抗力だから!これ、見てる?
‥‥ッだから恐ぇよお前ッ!
分かったから!分かったから!
‥だったらさぁ‥‥剥がしてくんない?」


やけに焦った声
そんな声を耳にした直後、志摩先輩の言葉の通りにベリッと剥がされてしまった


「せ、先輩?」


志摩先輩から離されて、目に飛び込んで来たのは

メガネ越しの鋭い眼光


最悪な事が頭に過ぎる


あのマンガの様にTシャツにカエルを貼っつけられるとか

はたまた、体にカエルを縛り付けるとか



「和泉先輩‥‥俺、ッ」


両手を掴まれた瞬間、訳も無く涙が出て来た

そんな事が我が身に起こるかもしれないと思うと、ボロボロと涙が止まらない


本当に嫌な事を突き付けられた人間の涙腺は、馬鹿になる
ボロ泣き状態の俺が良い例だ



「や、‥うぅっ、無理‥」

「藤代」


先輩から距離をとろうとしたら
グイッと、手を引かれた



(うわッ!)



なんで?
なんだか分からないけど、どうしてこんな事になってるか訳分からないんだけど‥‥

先輩の胸の中に俺、居ちゃってます


[*前へ][次へ#]

5/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!