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知者は惑わず勇者は懼れず
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「さぁ、藤代飛べ」

「いや、無理ですよ!!」

「貴様の体格なら出来るだろうに!
武術を志す者は出来る!」


いやいやいや!
武術もなにも、俺運動苦手ですし
それに、中国四千年の歴史で持っても無理ですから!


「内なる気をコントロールして集中せよ!」



だから、どうあがいても無理ですって!



俺が昨日隠れみのした準備室で、ぶっ飛んだ先輩に捕まり
揚句の果て入部する事になった化学実験研究部


もう一度、きちんと断ろうと今日訪れて直ぐさま


命令されました


『飛べ』と‥


簡潔であって明快
でも絶対に何があろうとも成し遂げる事が出来ない命令



「和泉先輩、無理ですって」

「己で限界を作るな馬鹿者!」


無理難題をぶっちゃけるあなたの方が馬鹿者でしょーにッ!

謎だ謎すぎるよこの人は‥
頭いいんだか悪いんだか分からない
それに、化学部って言っておきながら

実験はやらないし、読んでいるのってマンガだし‥‥



「やはり、道具を使わないと駄目か」



念の為、用意しておいたのが役に立つ

と、そう呟いた和泉先輩
ガサゴソッと引き出しの中を漁り
軽快な音楽と共に



「ターケートーンーボ〜〜!!」



どっかで聞いたフレーズに乗せて

俺に手渡してきました


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