犬と猿
4
不意に猿が近付いて来て、ビクッと体が跳ねた
「なに焦ってんだ?」
「べ、別に焦ってなんか‥‥
つ、つーかさっさと出て行けって!」
手を洗う猿倉がすぐ横にいるけど、なるべく見ないように
突っ掛からないようにと
自分に言い聞かせる
そう今はこんな奴に構ってられねぇーんだ!
さっさとこの元気な息子くんを静めたいが為。
もしもこんな奴にだ、学校で抜いたなんて迂闊にバレちゃ
(ぜってーー足元見られるッ!)
「それにしても‥‥」
「なッ、んだよ!」
突然、猿が話し掛けて来て、性懲りもなくビクッとまた反応をしてしまった
横をチラ見すれば相変わらず、なに考えてるか分かんねー顔して‥
「お前、何で裸?」
「へ?」
‥‥ぐあッ!し、しまった!勢い余って、俺ハダカ!?
せめてジャージ持って来るんだった俺の馬鹿ッ!
「なぁ、バカ犬‥‥そんな格好して」
「んだよ!うっせーなぁああ‥ッ!!」
なおも突っ掛かってくる猿倉を見て
固まった
ビシッと猿倉の人差し指が指差している所が
「欲求不満?」
今、俺の1番ヤバい箇所を狙い撃ちしていたから
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!