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犬と猿
3
「ん、あれ?」


羽鳥の視線が徐々に下に降りていく
明らかに、俺の変化に気が付いた様で体を起こそうとした

や、ヤベェッ!
羽鳥にバレるのは何がなんでも、マズい!


「だりゃーーッ!」

「うわ、痛でッ!」



すまん、羽鳥ッ!

急いで体を起こしたもんだから、羽鳥が俺の上から転げ落ちた
羽鳥に悪いけど、助けてあげれるほど今、余裕なし!
周りの連中がゲラゲラ笑っているのを横目に見ながら

教室を飛び出した


「やばいやばいやばいィイッ!」


目指すはもちろんトイレ
この元気になったモノを何とかおさめないと!
学校でこんな状態、晒したら変態のフラグ立ちまくりだろ!


トイレのトビラを勢いよく開けて


「危なかった‥‥」



一先ず目先の危機から脱出成功
洗面台に手を付けば、気が抜けて

ハァッ
と、安堵のため息も自然と零れる



「危ないって、なんかあったのか?」

「いや、まぁな。あんな格好で抱き着かれたらさ‥‥
どこもかしこもヤベェよ」

「あんな格好?」

「そっ!だってよ裸で‥‥」



ん?
俺、なに一人でしゃべって‥‥

顔を上げて見えたのは自分を写し出す鏡
その鏡の中で、個室のトビラにもたれ掛かる様に立っていたのは



「さ、さ、猿ッ!!?」



俺の嫌いな人物が偉そうに腕組みして
こっちを見ていた


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