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・13/09/20 自警団詰め所 encounter:ヨハネ/ギガトール

憶測立ては出来たつもり。オッドアイのちっちゃい獣人で、元気でよく跳ねて、それでもってリヴォに関われる人物。
ヨハネ君の行動原理が私の時と同じだって考えると、やっぱり可能性はあるだろうとは思えた。

エゴで犠牲者を増やすのなら私は許しはしないし、そのエゴで一つの命を助けるとして多くを殺すなら、私はその殺人者を殺すしかなくなる。ましてやそのエゴがあまりにも馬鹿げていたりすると、余計に。

それでも何かを知ったから、ヨハネ君は動いた。そういう見方も出来る。そこは評価する点だろう。向こうは理由の通らない事をした、その通りだ。私はだから怒った。交渉を捨てて、そしてヨハネ君を殺そうとした。操ろうとした、にそれは同義だし、どちらにしろ悪い使い方に他ならない。
神父さまの言葉の通り。私はヨハネ君に怒ってるんじゃなくて、向こうに怒ってるんだ。

第六と猛虎は使い分け。市民の命が最優先、先手という意味では後者、私の居る猛虎隊は時としてその場での殺害をも余儀なくする状況での捜査も行う。
その二つの当て嵌め方、使い分け方の基準は交渉出来るか否か。私の第一判断では交渉の余地無しの挙句助けてと悲願し騙して殺そうとした、最低最悪級の殺人鬼だと評価しておく他無い。私はそう言った。

ヨハネ君は、違うのか。
昔のヨハネ君と重ねた?違う、あんな考えではない。だから、絶対に間違えちゃ駄目なんだ。私が、先手を打つ方がいいかもしれない。

セシリアに似てきた?どういう事だろう、私が?うーん。
問い詰めたら、「自分で考え固めて、判断はけして揺らぐ気は無いのに人の意見を望む。分岐点を自ら作り上げる事がとても上手。」だって。それと、「過保護」か。そりゃー、好きな人が危なくなったら目の色も変わるよ。
自分より好きな人の方が価値が高い。そう言ったらあっさり否定されちゃって。価値、の面を否定されたんだけれども、同じような事か。価値ではなく、差。そういう事か。

差は生まれるもの、価値は決めるもの。曖昧な価値、曖昧が曖昧なままに決めた価値は愚の骨頂。人を殺めたから低いだとか、そういうのじゃなくて。私の為に動いてくれた人達はそうじゃないって。

よんじゅーいこーるしゅみがわるい。なんだか視線を感じた。
私、教養無さそうに見えるかなっ!?ちょっとしょんぼり。頭悪そーなのか。自分勝手で自業自得で自己犠牲で自己満足な自己評価で自覚症状ありな神父さまのくせにー!

神への見解。私は現実しかみてこなかった。だから、それこそ神頼みなんて馬鹿げたもの、とは思えるんだろう。思う事がきっと出来るんだろう。ただ、信じるか信じないか、というのも愚問で。
私が聞いて、解釈する。どれも意味深な言葉達で深読みばかりで。説教は解釈を分かり易く伝える場。それらは個々の考えで、鵜呑みには出来ない。してはいけない。

だけれども、貴方の言葉で助けられたんだ。

そういう信じ方があっても、良いと思う。


だからこそ知りたくもあった。現実的に、神の教えだとかそういう面じゃなくて。受け売りの、聖書の言葉からじゃなくて、生きてきた現実を。
普通じゃない。ただの刷り込みで、ああはならないと、思ってる。

私は今までがあったから、重ねて見れる。ただ、刷り込み、か。
リザルグのお話も、少しだけ。あれは、異常だった。元より全てが異常だったけれど。道を見極める為に命を放る。死の中に正しく生きる道を見出す。殺戮衝動を紐解く様に、社会への復帰を。ラゼも、そうだった。人を信じる事が漸く出来たから。人と笑える様になったから、メルガスから外れた。過去は知らない、今が大切で、今、この社会で生きれるなら、それでいいと。
そういう方法もあるのか、かな。天国での言葉は。

信じる者は救われる。正しくそれが伝わっていない、伝えられていない、その言葉の乱用のような。神父さまはそれが嫌いらしい。責任は持てない、なんて言ってたけれど。そもそも、救いを求めて信じる、というのもなんだか。

神に関しては譲らない。あの教会の人達も、ラクリモーサも、マルスリーヌも、神父さまも、頑固者。
人はとても不器用だ。



ただいま、が言えた。

おかえり、が返ってきた。


今は、それだけでいい。




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