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・11/05/13 商店街 encounter:リコス/ジャーヴィス
何だろう、お菓子という物に物凄く違和感を覚える。何か、重いものが一つ引っ掛かっている。

今は全く思い出せないのだけれど。シエロさんの言っていた様に、一度故郷に戻って思い出せるようなら良いのだが。

今日はリャジャに貰った宝石類を売りに行った。青く綺麗なサファイアの指輪が一番綺麗で一番高く買い取ってもらえそうだったが、それだけ取って置く。私が持ってても大した価値もないけれど。
それから色々と回っていたら、海辺で会ったあの少女が居て。お菓子屋さんを見ていたらしく、私も釣られてそのお菓子屋さんへ。
様々なお菓子が売られていたが、中でもやはり目を引いたのはくじの箱に入れられたマジックキャンディだろう。少女の家庭教師も来て、一番嫌な味を引いた人がドラゴンベーカリーのパンを奢るという事となった。
資金がある私にとってはそう痛くはなかったが、飴には覚悟が必要だった。結果はゴーヤだったが。教師さんはカカオ99%。同点最下位と思った所で大玉当てたその少女の方を見れば、出していた所だった。イカした男の汗味なら仕方無いと頷ける。イカしていようがなんだろうが、無理だろう。常識的範疇で。

少女がパンの代金を支払ってくれたのだが、大人が子供に奢ってもらうのもなんだか情けない。
美味いマジックキャンディを使いながら魔法の練習でもすれば上手くなるのだろうか、これから彼女に美味しいマジックキャンディが当たることを願って。

そして然り気無く手元に残した一つのマジックキャンディ。味は、分からない。あの少女が悪戯に使えると言っていたが、それを実行する程度には許される大きさだろう。流石に大玉は、もしもの場合に絞め落とされかねない。悪戯の範疇を軽く越える。
けれど、生きていたら彼女への土産だ。美味しい味である事を神頼みするしかない。適当に。

昼飯の代わりにと自身が追加で硬貨を支払い買ったドラゴンベーカリーのパンは甘く、お菓子を昼飯にしたとしても変わらない程度な気さえした。けれど甘いのは大好きだから仕方無いのもあるが。どう仕方無いのかは、突っ込むべき所ではない。

そうだ、お菓子は、いや、お菓子屋さんには全く立ち寄っていなかった。あまり良い記憶は無かった。あまりどころではない。あれは、全ての禍根だったのかもしれない。

思い出してきた。そうだ。けれど、まだ出てきていない。

何の関係があるんだ、私に。あの故郷にあったお菓子屋さんに。植え付けられたあの最悪な思い出だけを残されたのか。それだけなら、探るべき必要は無いのだが。

何だ。思い出せない。小さい頃、あの町に出る度に通っていたのに。

ここにあるのに。これが全部の原因な気さえするのに。


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あきゅろす。
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