・11/05/16 海辺 encounter:バルタザール
もしも世界が壊れる、という事となれば私は喜ぶのだろうか。
私の存在はあまりにも小さい。抱えるものもそう大きくない問題だ。喪い方も憶えている。いつでも。
けれどその小さい存在で大きくない問題だとしても、他人の人生を切り落とす力を持っている。いや、力ではない。覚悟か。誰しも他人を殺める事など出来るのだ。箸の一つでも人殺しは出来る。その他人の人生を奪う事の出来る心があるか否か、それだけだ。
それは、酷く壊れた心だと思う。
神は信じていない。信じる事が出来ない。天国がある事を認めたら、あの嘘が本当になる事を認めるしかなくなる。けれどそれを本当であると信じてもみたいんだ。
私は神を信じているのだろうか。信じてはいない。けれど多分、あれば良いな、と思っている。諦めにも似た、小さな希望。壊れた希望。
神なんかよりも銃の方が余程信用出来る。嘘は無い。人の方が信用出来はしないだろう。嘘にまみれて、嘘に嘘を重ねて。私がそうなのだから、私自身さえも。
けれど、それでも友達との言葉くらいは信じさせてもらっても良いのかな。
それも、何度思っても私が終わらせてきたのだから、嘘でないとしても、何の意味さえ無いのだろう。
死は全てを無に還す。全ての否定する色だ。
結局私は殺す事の意味を持ち合わせていないのかもしれない。見付からないのかもしれない。
でも、もしあるとすれば。仕方無かったんだと正当化する事が許される殺しでありたい。全て夢だったのだと、全ての重荷を下ろせるような。
有り得る筈もない。
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