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■青天の霹靂
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 いつもいつも仕事仕事で、出会いの場がなかった私にとって、昨日の結婚式は数少ないチャンスだった。
なのに知り合った男性が大和の所長ただ一人っていうのがなんとも腹立たしい。

「主任って…、本当に男運悪いんですねぇ。」

 花緒がしみじみ言う。ほっといてくれ。

 そんな私達の会話を聞いてた一九歳のアルバイトの男の子が、

「主任って、選り好みしてたら一生独身で終わりそうっすね。」

と口をはさんできた。失礼な。

 そのバイトのセリフに花緒は笑いをこらえながら、

「主任って、どんな人が好みなんですか?」

と話をふってきた。

 私にだって好みはある。確かに、この歳で、この状態で、この男運で好みなんか気にしてたら、本当に一生結婚できないかもしれない。でも、これだけは譲れないというのがあるのだ。

「とりあえず、私が頼れるような男らしい人かな。」

 私がそれだけ言うと、花緒もバイトの男の子も一斉に吹き出した。そして大笑いしている。なぜ、そんなに笑う。
 
 私がちょっとムッとしていると、その笑い声でみんなが集まってきた。

「何?何?」

 そう言うみんなに花緒がさっきの話をもう一度繰り返す。そうすると、それを聞いた全員が笑い出した。

「あのね、主任。」

 さんざん笑って満足したのか、バイトの男の子がようやく口を開く。

「主任より男らしい人って、それが一番難しいんじゃないんすか?だって、うちで一番男らしいのが主任なんだし。」

 そう言ってまたみんなで笑い出した。

 …私、そんなに男らしいのか?!

「もう主任あれっすね、プロレスラーと結婚するしかないっすね。」

 バイト生はそう言い残して、スタンドの入り口に現れたお客さんの所に走って行った。

 そこまで言う事はなかろう、なにがプロレスラーだ。それにどうすればプロレスラーと知り合えるんだ。そっちの方が可能性は低いわ!


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あきゅろす。
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