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僕が探偵になった訳
その五

「何故、私が始くんの事を分かったかと云うと……」

 赤月の云う事には、人の考えている事が分かるんだと。

「まあ、一種の超能力だね」

 僕はてっきり、からかわれてると思い、ムキになって言い返した。

「そんな、子供騙しの手に引っ掛かるかよ。超能力なんてある訳無い……」

 僕がそう言い切る前に、赤月は眉間に皺を寄せた。
 なんか、ロダンの考える人の様に――

 そして何か閃いたらしく、指を僕に向けビシッ! と差し言った。

「判った! 君は今、何だコイツ? 頭オカシイんじやないか? 超能力だって? 訳わかんね〜それより腹減った〜今日の晩飯は、なんだろ? と、思っただろう!」


 ……本当に、そう思ってたから、僕は信じるしかなかったけど。面倒だったので、とりあえず言ってみた。

「言いたい事は分かったけど、おれの学校バイト禁止なんだ。残念だが諦めてくれ」

 赤月は指をチッチッ、と振り、にっこり微笑みながらこう言った。

「始くん、嘘をついてはいけないなあ〜分かるって言ったじゃないか」


 ああ――駄目だ! コイツの前で考えちゃ。今だけは無の境地だ。ここから出たら、後は二度と会わなくても済む……

「あ、それから君の住んでるとこ知っているからね〜明日は、ちゃんと学校の帰りに来るんだよ」


「しまった! 名字教えてたんだった――!」



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あきゅろす。
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