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人魚シリーズ


 伝説の魔女が住んでると言われる、朽ち果てた古城の門前にセイヤと僕はやって来た。

「ここが……」

「ひゃ〜また、えらくボロいとこに住んでるな」

 セイヤは周りも気にせず、でっかい声で言い放った。
 僕は気が気じゃない。
 だって伝説の魔女だから、僕達がここに居るのは分かっていると思うんだ。

「セイヤ、余り大きな声は……」

 その時、門に取り付けてあった四角い箱から声が聞こえてきた。
 それもかなり怒った口調で。

『誰だ? 私の城に近付く大馬鹿者は!』

 どうやら、この箱に話せば相手と会話が出来るらしい。

『あの……ここは伝説の魔女さんのお宅ですか?』


 箱に向かって話し掛けた僕に、セイヤは『コイツ少しおかしいんじゃないか?』的に見ている。

「おかしいのはお前の方だ。ソッチの金髪の子! キミだけ入って来なさい」

 思っていた事をズバリいい当てられて、さすがに気味が悪いのか、セイヤはゴマをすりはじめた。

「いや〜良く見たら意外とイケテるんじゃない? サイコ―カッコいい声だし」

 いや、そんなわざとらしい事言っても無駄だと思うけど。
 心の中でツッコミを入れてた僕に、焦れた声が急かすように言う。

「早く入って来いって言ってるんだろうが! もう、入れないからな。良いのか? 良いんだな?」

 畳み掛けるように話す人に、何とか分かって貰おうと必死に話し掛ける。

「コイツの無礼をお許し下さい。でも、供を付けずに行く事は禁じられて居るのです。どうか一緒に入る事を許可して頂けないでしょうか?」

 セイヤの頭を押さえて二人で頭を下げる。
 と、暫く無言だった箱から許しの言葉が出て僕達は館へと足を進めた――

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あきゅろす。
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