[携帯モード] [URL送信]

僕の瞳に映るあなた


 涼が哀しげな顔で僕を見つめている。ほら、やっぱり僕が好きなんだろ?

「じゃ、小夜明日な……」

「うん。竜、明日ね〜」

 小夜は手を振り何度も振り返りながら帰って行った。

「竜、送って行かなくていいの?駄目じゃない女の子に送って貰うなんて……」

 なんで心にもない事を言うんだろう。僕の愛しい人は……

「別に……僕の家の方が近いし。涼には関係ない……」

 その言葉に涼は目に涙を溜め、泣かない様に唇を噛み締めてる。昔の……幼かった頃の様に。

「涼、ゴメン……」

 肩を抱き家へ入る。お婆様に見付からない様に涼の部屋へと。

「涼? 泣かないで。こっちを向いてよ」

 涙に濡れた顔を上げた涼はとても綺麗で……僕は思いが溢れて、止まらなかった。




「いやっ! 竜、止めて! 」





 泣き叫び、止めてくれと云う涼を無理矢理自分のものにした。






時が……止まる。





再び……動き出した時。








僕らは……






禁忌を冒した……





罪人となった。



[前頁][次頁]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!