10 「あぁ……っ!!もぉ…っ、や…ああ!っ、や……あぁ…っぁ…。くぅぅ…っるぅ!…来、…るう…っ!怖…っ!いい!……いっ……!」 ふわりと浮いたような感覚が訪れて。ビクビクと全身が痙攣して。 気持ち良くて。蕩けてしまいそうに気持ち良くて。 長々と精液を垂れ流し続けるおれ。 オナホの口から溢れてきた精液に気付いた志信は、今度はオナホを外して直接手で扱き始めた。 それは刺激が強すぎて、おれを淫らに狂わせる。 「やぁ…!あぁあ!、ダ……ッ!メ…ェェ。も…ぉ!っう……!やぁ……め、て!ヤアァァダァァァ!やぁぁ…っ!めえええ!許…し…、…てえぇっ!!」 どれだけの時間をこうやって狂い続けたのか分からない。 自分自身が何を口走って、どんな痴態を演じたかも覚えていない。 ただ、気付いた時には、倦怠感と脱力感と、そして例えようのない満ち足りた幸福感に包まれていた。 嘘みてえ……。 賢者タイムがやってこない。 女ってこんな感じなのかな? 全然酔いが醒めない感じ。 なんか……あ。キス? ぼんやりしているおれに、志信がキスを寄越してきた。 いつのまにかおれの上に志信がいて、満足そうな顔でニヤニヤと締まりがない。 「 考えるのも億劫なおれは正直に答えた。 「いい……気持ちいい」 「何が気持ちよかった?」 「尻」 志信は吹き出すように笑って、おれの前髪をかきあげて、今度は額にキスを寄越す。 「痛くなかったか?」 「痛くない」 「アナルの擦れる感じは?」 「あんまりない」 「それで、最後まで気持ちよかった?」 「……奥。前立腺」 「ああ。それか……。じゃあ、使用感は合格ってことか」 「なに?」 「ローション」 ああ……そうか。商品の感想か。 そうだっけな。仕事中なんだし。 つか、疲れたから答えるのもダルイ。 「オナホは?どうだった」 「気持ちいいけど……いっぺんにやられたら訳分からなくなる」 「そ……か。ふたつ同時にテストはまずいか」 「ローションはいいけど」 「気に入ったか?」 「……手コキ」 「あ?」 「おまえの手、好かった」 また志信はクスクスと笑った。 笑顔が可愛いとか思う。 ああ……眠い。 「こら。渚。仕事中だ。寝るな」 「ちょっと……だけ……。すぐ、起きるから」 睡魔にはどうしても勝てなくて、おれは志信に甘えていた。 こんなんでモニターとか。おれの身体、もつのかな? けど、こんな風に実際に体験して、情報をリアルに伝えられるなら、それは商品を販売する上での強みになる。 これからしっかり頑張ろう。 そんな事を考えていたら、志信がおれを抱き寄せて毛布を掛けてくれた。ラバーシーツはそのままで、この肌触りの悪さは寝るには適さないと欠点を感じつつ、それでも色んな心地よさにはかなわなくて、おれはそのまま意識を手放してしまった。 [*前へ][次へ#] |