攘夷ばっかり 攘夷ズ風邪リレー序章 熱い。 太陽が燦々としているわけではない。むしろ分厚い雲に覆われ、いつ雨が降りだすかわからないほどだ。 柄を握り直す度、嫌な汗に顔をしかめる。 頬を伝って落ちた汗が地面に小さい染みを作った。 周り一面天人に囲まれている。あまりいいとは言えない状況だ。 襲ってくる天人を容赦なく薙ぎ倒していく。だが刀が重い。斬った箇所から生温い血が飛び散る。だかそれより体が熱い。 (…このまま縮んじまったりしてなー) 見た目は子供、頭脳は大人、なんてくだらないことを考えても体の熱はひかなくて。 息が上がるのが早すぎる。酸素が足りない。いくら吸っても足りない苦しさにますます眉間に皺を寄せる。 脈も速い。心臓の音が煩いくらい聞こえてくる。世界がだんだん霞んできた。 天人を斬っている感覚も失せてきた。もしかしたら自分も斬られているかもしれない。今の血は自分の体から出たように見える。 だが体は朦朧とした思考を無視して勝手に動く。刀を握る感覚も失ってきた。戦装束が汗を吸って濡れて気持ち悪い。体が重いのはこれのせいだ、なんて。 刹那、背後に殺気を感じた。 最早本能で動いている体が天人に刀を向けた瞬間、足が力を失った。 均衡を崩した体はそのまま地面に倒れていく。握っている感覚を失っていた刀が宙を舞ったのは気のせいか。 霞む視界の中で、天人が刀を振り上げるのが見えた。 「……――銀時!!!!」 視界が真っ暗になるのと同時に靄のかかった桂の声と、刀を降り下ろす音が聞こえた。 ----------------------- ちなみにコナンでは服部が大好きです。 平次いいいいいいいいい 苦しむ坂田を書くのが実に楽しかった^^ 黙ろうか\(^O^)/w 2009.4.23 [*前へ][次へ#] |