誰かに聞いた怖い話
・・・続いた凶事11
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『私達は知らなかったんだ…そんなお目出たい話の裏で、従姉妹が苦しんでいたなんて…』

『従姉妹は、私達の前では結婚の準備の話や、彼の準備が遅れている事等を、それは嬉しそうに話していたんだよ』



『苦しんでいたって…人間関係か、別の何かにですか?』



『私は後で上の娘から聞いて初めて知ったんだが、彼女に結婚の話が出た頃から、彼女のアパートで不気味な物音や出来事が始まったそうなんだよ…まるで彼女の幸せを壊そうとしているみたいに…』



『その不気味な音って…』



『それが、ガリッ…ガリッと…アパートの壁の内側を、何かがひっかく様な音だったり…』

『又、ある時は、自分しか居ない筈の室内に、誰かのすすり泣きが洩れ聞こえて来たり…』



『…』



『そればかりじゃ無い…誰もいない筈のアパートの部屋の明かりが、いつの間にかついていたり…』

『物の置き場所が少しずつ違っていたりと、様々な事が起こっていたらしいんだ』

『その現象は、私の娘が泊まった晩にも起こったそうだ』



『何でおじさんの従姉妹は、おじさん達に相談しなかったんだろう』



『心配掛けまいとしたんだろう…そんなある日の事…』

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あきゅろす。
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