誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜3
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すーっと襖の閉まる低い音がしたかと思うと、薄暗い廊下をキュッ…キュッ…と小さな足音が遠ざかって行きました



…危なかったな!ゲームをやってるのを見つかったら、暫くの間叱られる所だった…



…音を消して置いて、本当に良かったよ…



…しかし、良く眠れるよな…



俺は布団を頭から被って、発売されたばかりのゲーム機で、眠れぬ一夜をだらだらと過ごしていました

どのくらいそんな時間を送ったのだろうか?



俺はいつの間にか、眠ってしまっていたのです

ですが…ただでさえ暑い上に、布団を頭から被っていたせいでしょう…俺はじっとり湿ったTシャツと、限り無くひりつく喉の渇きを覚えて、目を覚ましたのでした



当時の…いいえ、此の宿だけがそうだったのかも知れませんが…各々の部屋には洗面所もトイレも備えられてはおらず、共同のトイレと洗面所が、ほぼ同じ場所に並んで設置されておりました



ですから、水を飲みに行くのにも、トイレに一人で行くのにも…同じ場所へと向かうのです



俺は辺りで眠る学友達の様子を、息を潜めて探っていましたが…そんな時には、生憎誰も起き出す気配も無く…俺は渋々布団から出たのでした

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