誰かに聞いた怖い話
・・・深夜の客12
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『それが問題なんだよ…いや、その格好がって事かな…』
私は続けたのです…その男の話を…
『格好がって…どう言う事なんだい?』
『そうだよ、奇抜なファッション…って訳が無いしな』
私の友人達は、奇妙な顔をして尋ね返しました
『それがね…頭には鍔付きの帽子を被って、両手には真っ白い手袋をしていたって…そう言うんだよ』
『そんな格好って言うと…おい、まさか』
そう口を挟んだのは、旅行好きな彼でした
『うん…そのまさかだよ…何処かの会社の、社長なんかの専属運転手か…』
私は答えたのです
『それか…タクシーの運転手!』
そう答えたのは、サーファーの彼でした
『ハイヤーかも知れないぜ』
そんなサーファーの彼の意見に対する様に発言したのは、車好きな彼だったのです
『まぁ…どちらにしても、以前の職と同じ様な職業についているかも知れない訳だね』
それは病院長の息子の言葉でした
『そうだね…もしかしたら一番怖いモノって、生きている人間なんじゃないかと…私はそう思ってならないよ…幽霊や物の怪なんかよりも、隣りに住んでるあの人や…毎日の電車で出合うあの人なんか…ね』
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