誰かに聞いた怖い話
・・・深夜の客12
.
『それが問題なんだよ…いや、その格好がって事かな…』

私は続けたのです…その男の話を…



『格好がって…どう言う事なんだい?』

『そうだよ、奇抜なファッション…って訳が無いしな』

私の友人達は、奇妙な顔をして尋ね返しました



『それがね…頭には鍔付きの帽子を被って、両手には真っ白い手袋をしていたって…そう言うんだよ』



『そんな格好って言うと…おい、まさか』

そう口を挟んだのは、旅行好きな彼でした



『うん…そのまさかだよ…何処かの会社の、社長なんかの専属運転手か…』

私は答えたのです



『それか…タクシーの運転手!』

そう答えたのは、サーファーの彼でした



『ハイヤーかも知れないぜ』

そんなサーファーの彼の意見に対する様に発言したのは、車好きな彼だったのです



『まぁ…どちらにしても、以前の職と同じ様な職業についているかも知れない訳だね』

それは病院長の息子の言葉でした



『そうだね…もしかしたら一番怖いモノって、生きている人間なんじゃないかと…私はそう思ってならないよ…幽霊や物の怪なんかよりも、隣りに住んでるあの人や…毎日の電車で出合うあの人なんか…ね』

[前頁へ][次頁へ]

12/95ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!