誰かに聞いた怖い話
・・・保健室10
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むしろどちらかと言えば、普段は元気過ぎる程の男の子だったと言えるでしょう

そんなその子が度々保健室にやって来るのには、勿論それなりの理由があったからでした

もっとも…そんな大層な理由では無いのですが…



男の子が保健室にやって来るのは、いつも決まってお昼の時間が済んでからでした

彼は共働きの両親と三人で暮らして居りましたが、授業が終わっても一人っきりの家には帰らずに、同じ様な境遇の児童達と学校でお弁当を一緒に食べてから、夕方に成る迄遊んでいたのです

そうして友達の残したお弁当を分けて貰っては、食べ過ぎてお腹が痛いと度々保健室にやって来たのです

そうしてその子は薬を貰って服用しては、二つある簡易ベットの一つに横たわり、少し具合が良くなってから帰るのでした



その日も、やっぱりそうでした



けれども、そのいつも通りの習慣が、その男の子に災いしたのです





その日もいつもの様に食べ過ぎてお腹が痛いと、その子は保健室の扉を潜ったのでした

その当時の養護教諭の対応に、どの程度の落ち度があったのか…私には分かりません



けれども、いつもの様に腹痛を訴え、保健室を訪れた男の子は…

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あきゅろす。
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