誰かに聞いた怖い話
・・・保健室3
.
『先生、たまには顔を出して下さいよ』
そう言ったのは、高学年の児童の理科を受け持つ先生でした
『そうですよ、今度赴任して来る先生は、未だ若い先生だそうですから、色々とアドバイスしてあげて下さいよ』
彼に相槌を打つ様に続けたのは、体育を教える先生です
『うふふ…こちらに足を延ばした時にはそうしようかしら、その時にはお昼をご馳走して下さいね』
私は二人に笑い掛けながら、別の事を考えていたのです
…今度来る先生は、あの子と上手くやれるのかしら…
…私の前任者達の様に、ノイローゼにならなければ良いけど…
そんな事を考えていた私に、体育の先生が話し掛けていたのでした
『先生、転任される先生方の送別会には、勿論参加出来るんですよね?』
『やっぱり、先生が居ないと』
『えぇ、そのつもりですけど…確か土曜日だったかしら?それじゃあ、私は保健室に戻りますね…楽しみにしていますから、先生方の隠し芸!』
私は名残惜しそうな顔をしている二人の先生にそう告げると、自分の居るべき場所へと足を向けたのです
そう…残念ながら今日で最期になりますが、私の職場…私の居るべき保健室へと…
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