誰かに聞いた怖い話
・・・真相2
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私の小さい頃に亡くなった私の兄は、私の掛けた言葉を無視したのです
…どうして?
…事故で死んだ私を、あの世から迎えに来てくれたんじゃないの?
…それなのに、私ではなく…私の友人達に話し掛けるのは何故?
…死んだのは彼等じゃなくて、私なんだよ…兄さん…
私の事を無視する兄に心乱された私は、兄のその態度に気を取られていて、それより大事な事には気付いていませんでした
そしてそんな私を背にしたまま、兄は三度同じ言葉を口にしたのです
…兄ちゃん達は、本当に何処へ消えたんだろう…
…キャンプ場に行く時に通った此の道には、兄ちゃんの車は停まって無かった…
『!』
…もしかして、それじゃあ!
…そうとしか考えられない…
…兄ちゃん達は、きっと…
『先輩…もしかして兄さん達は…この…』
激しい雷雨に閉ざされがちな前方の視界に、僕は細心の注意を払いながら、隣りに座る彼女に恐る恐る尋ねたのです
彼女の注文通りに、車をゆっくりと走らせながら…
『なぁ…もうそろそろ良いだろう?』
『どうやら間に合いそうだし…』
それは兄の言葉でした
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