小説 恋する動詞111題(望む〜惚れる) 何故か下の方の基緑を繋げてみた。 いや、実際は基緑じゃないんだけれども。 むしろ、吉緑? そんな感じ。 そしてとんでもなくマイナーなのが紛れ込んでる。 -------------------------------------------- 望む(?/?) ただ、望むのは、 君、 せめて、君が、 幸せで無いように、 君の中で、俺が永遠になるように、 幸せになんて、ならないでね。 (ああ、) (アイシテル) 願う(イナイレ/豪照) すぅ、星が一粒流れた。 「ねぇ、どんなお願い事したの?」 隣で僅かに目を閉じた彼が尋ねてくる。 「教えるわけ無いだろ。 …お前は?」 くすくすと笑って、彼は此方を見やった。 「別に、大したことじゃないんだけどね。」 そう言うと、彼はぽす、ともたれ掛かってきた。 「…照美?どうした?」 「何でもない。 でも、あとちょっと、こうしてて良い?」 抱き締めてやると、小さく、大好きだよ、と呟いた。 (この時間が、あと少しでも、続いてくれれば。) 想う(イナイレ/基緑) 「…うん、そうなんだ。 ……へぇ。みんな、元気そうみたいだね。 うん。…じゃあね。また明日。」 いつもと同じ挨拶を繰り返して、俺は受話器を戻した。 ふう、と小さく溜め息が漏れる。 「ヒロト、」 会いたい、よ。 (一人の人を想うことが、) (こんなに、寂しいなんて。) 見つめる(イナイレ/基緑?) 「……ヒロ、ト…?」 「うん。そうだよ、 リュウジ。」 そう呼んだ彼をじっと見つめる。 ヒロトと、同じ顔。 でも、ヒロトじゃない。 だって、ヒロトは、 「…っ!ヒロト、じゃない。 ヒロトは、俺のこと、緑川、って呼ぶから。」 「違うよ。 俺は、ヒロト。 …吉良、ヒロト。知ってるよね。」 「……死んだはず、じゃ、」 「じゃあ此処にいる俺は誰? いや、何? 俺は、正真正銘、吉良ヒロトだよ。」 悩む(イナイレ/基緑?) 「なにしに来たの?」 しばらくたって、俺はふと尋ねた。 「え?言ってなかった? ……あのさ、俺と付き合う気、無い?」 突然の言葉に、俺は思わずヒロトの方を見た。 「もちろん、リュウジがヒロト、基山ヒロトのことを好きなのは知ってる。 でも、寂しい、よね? ずっと帰ってこない。 ね、俺はリュウジの側に居てあげる。」 吉良ヒロトの言葉は、今の俺を的確に見抜いていた。 確かに寂しい、けど、 「やっぱり、駄目だよ。」 ヒロトにそっくりだから。 「…ヒロトと、重ねてもいいよ。 成りきってあげる。 それで、リュウジが愛してくれるなら。」 「…何で、」 そこまでしようとするの? 俺なんかの為に。 「ここまでするのかって? リュウジが好きだから。」 「………どうしたら、いいの、かな……?」 (近くのあなたと) (遠くの君と、) 惚れる(イナイレ/基緑?) どうして、俺は帰ってきたんだろう。 確かに、此処からいなくなったはず、なのに。 そんなことを考えながら辺りを見回すと、 1人の男の子が目に入った。 綺麗なライムグリーンの髪をポニーテールにした、可愛らしい子。 たぶん同年代だから、子って言うのはおかしいかもしれないけど。 その子は、子供みたいに走っていって、 「ヒロト!」 って、呼んだ。 俺の事じゃないのはすぐにわかった。 その、“ヒロト”がやってきて、その子を抱きしめたから。 “ヒロト”は、俺にそっくりだった。 あの子に、緑川リュウジに、笑顔を向けられる“ヒロト”が、羨ましいと思った。 (だって、もう) (好きになってた。) ---------------------------------------------- (C)確かに恋だった http://85.xmbs.jp/utis/ http://utis.b.to/many/1?.ref=mail [*前へ][次へ#] [戻る] |