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パワーストーン物語
I
「なぁ、喜多川さんって村田が好きなのかなぁ…。
前に1度だけ俺に話しかけてくれた時もお前の事を聞きたがってる感じしたし彼女ってうちの校長の親戚だろ?
もしかして村田のバイトOKになったのも彼女のお陰なんじゃないのかなぁって気がするけど違うかなぁ…」

「そ、それ本当かっ!?」

「多分…。でもさぁ俺がっかりぃ…。クリスマス前に超憧れてた女にフラれるなんて…」

「や、山中っ、今なんて!?」

「だからさぁ、俺好きだったの。彼女の事ずっと…。
それにだなぁ、いるのかよぉー彼女の事を好きじゃない男がうちの学校にぃー!
まぁなぁ…でも彼女が選んだのがお前だったんなら俺はお前の初めての恋をマジ応援するけどねぇ…」

「山中ーー!!!」

山中はほんといい奴だった!女より男の友情の方を選んでくれたのだから!
俺もあいつの恋を応援してやりたい!でも……。

「ところでさぁ、お前、喜多川茉莉花に何貰ったの?」

「まだ開けてない」

「バッカだなぁーお前、女性にプレゼントを貰ったらその場で開けて喜んでるとこを見せてやるだろー普通!?」

「そっ、そうなのか!?」

「そうだよぉー!んじゃここで開けて見せろよぉ。
お前が俺にプレゼントの中身を見せたくないってんなら俺はすみやかに帰ってくけどな」

「あ、あぁ勿論ここで開けて見せるって!」

そう言ってヒヨコエプロンの大きなポケットからさっきのプレゼントを取り出すと、素早くリボンを解いて少し重い中の物を出して来てテーブルの上に置いて見せた。

「ん!?これって部屋に飾るパワーストーンの一種だなぁ。
何の石だろう…。この六角形の透明な石の台は水晶だなぁ」

「水晶?これがあの宝石の!?高いのか?」

「そうだなぁ…そこそこはするんじゃないのかぁ?
上の緑色の丸い石もなんか高そうな感じだしな。俺はあんま詳しくないけど兄貴が一時パワーストーンに凝ってて本とか持ってた筈だから今度持って来てやろうか?」

「たっ、頼む!!」



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