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パワーストーン物語
H
「この間は苺ショートとレモンティーだったのにどうして!!?」
「だって今日は秋も深まったしどう考えたって栗だろ?それに砂糖をいっぱい入れた甘〜いミルクティーも飲みたい気分だったからな!尚美ちゃんは?」
「私もそう思ったの!」
「俺達、好み似てるな!」
「うん!そうだね!」


そんな価値観の似た二人はまるでペリドットによって引き寄せられたようだった。
それからやがて寒い冬がやって来た。
でも二人の周りはいつも温かい。
尚美にも彼にも大学内で沢山友達が出来た。
でも尚美には相変わらず彼氏はいないが、彼にも彼女はいなかった。
尚美は彼の汚いアパートに行き掃除をしたり、食事も作っている。
たまに彼も尚美の所にやって来るが、甘い語らいはない。
彼のうちで二人っきりでいる時はもっぱらゲームばかりやっている。
ただ尚美の首にはあのペリドットのネックレスまでがキラキラと輝いていた。
地味な服にもよく映えるこの石が堪らなく好きになっていた。
ところで二人の不思議な出会いを作ってくれたファイナルクエスト。
このゲームにはこんな素敵な特別機能設定がついている。
一人で歩いて途中で仲間を探してパーティを組む事も出来るのだが、最初からずっと男女ペアーのまま冒険を楽しむ事が出来るのだ!!
「では行きますか!尚美姫」
「えぇ..参りましょうか晃王子!!」
きっと精神年齢の低い二人にはこんなつきあい方がまだまだ似合っているのだろう。
いつかは深い恋愛に発展して行くかもしれないが、二人の今の一番の幸せはいつもいっしょにいて楽しい時間を持つ事だった。
いつまでもこのままでいれたらいいね...!!
おしまい


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