パワーストーン物語 G 「あっ、忘れてたばあちゃんからの手紙...」 尚美も年頃だから眼鏡だけでなくコンタクトも買って、その可愛い目をもっと見せねばもったいない! …そんなような内容だった。 ばあちゃんも流石に分かっている! しかしこんなにたくさん送って貰ったと言うのに両親にないしょではなんだか気がひける。 早速母に報告の電話をかけると受話器の向こうで母が笑っている。 「実はお前に携帯電話を持たせてやろうと思って、お母さん、今日町に出掛けて買って来た!すぐに送るから、今度からうちにはそれで電話しなさい!写真も送れるのにしておいたからな!」 びっくりだった。 てっきり怒られるとばかり思っていた。 なのに携帯電話まで持たせてくれると母は言う。 そういえばペリドットの指輪を毎日はめるようになってからずっと、金銭的に困ると誰かが助けてくれている。 尚美はつけっぱなしにしていた指輪を久しぶりに外し、濡れティッシュで汚れを拭いてみると結構汚れている。 自分にこれだけの幸運をくれた指輪にかなりの愛着心が生まれるようになってきた。 そして眼鏡屋さんに行き、彼の見立てたキュートなブルーの眼鏡とコンタクトレンズを買った。 彼があまりに嬉しそうなので、てっきり尚美が彼の彼女だと勘違いした店長は大サービスしてくれて、尚美はまたもや得をしてしまうのだった。 おNEWの眼鏡をかけてみると、やっとはっきりとした彼の全貌が表れた! 「かっこいい!!」 身長もそこそこ高くて見栄えのするこの顔立ちをどうして見付けられなかったのだろう...。 自分には勿体ないぐらいのイケメンで、尚美は飛び上がる程嬉しくなるのだが、彼に悟られないようにまったく当たり前のふりをした。 二人で初めて行った喫茶店にまた二人で入り、向かい合わせで座るとよく互いの顔が見え過ぎてしまい、なんだかみょうに緊張する。 彼もいつもの眼鏡じゃない尚美を見て「なかなか可愛いじゃん!」とこっそり思ったが、注文を取りに来たウェイトレスに二人同時に「モンブランのケーキとホットのミルクティーを!」と言い、また声が重なった事にぎょっとした。 [前へ][次へ] [戻る] |