page2 ごみ箱にたまってたゴミを片付けて、布団を干して、掃除機かけて洗濯して… 前までは一人暮しじゃなかったから、家事がこんなに重労働だなんて思いもしなかった。 一通り掃除が終わって、ふとデスクの上を見ると出しっぱなしにしてあったアクセサリーケースから、いつの間にか増えたアクセサリーが溢れかえっていた。 「聖みたいにショーケース買おうかな…」 そう呟きながら絡まったネックレスとかを一つずつ解いていた。 「ぁ‥、ピンキー…」 赤西とペアのピンキー。 野ブタ。以降ほとんどと言っていい程しなくなった。 野ブタ。の前もはずしてた。 でもあれは自分達の意思じゃなくて、事務所からの命令で渋々はずした。 そしたら野ブタ。が決まってから赤西が… 『あんさぁ、』 『ん?』 『お前、野ブタの時…』 『なんだよ』 『‥っピンキーつけてろ』 『は…?なんで…?』 『だからさ…あの〜‥っいいからつけてけ』 『?だからなんで。』 『っ……あーもーだからぴぃがいるから心配なの!』 『っ……わかった‥じゃあつける(修二ってピンキーつけるような奴じゃないんだけどな…)』 あの時は本当に素直に嬉しかった。 本人の前では素っ気なくしてたけど…。 でもその後。 デビューした後から、赤西は変わった。 だから今度は… 自分の意思ではずした。 アクセサリーの中に埋もれていたピンキーを取り出して、小指にはめてみた。 小指のサイズなんて知らないはずなのに、赤西が買ってきたこのピンキーリングは、俺の小指にピッタリのサイズで二人でビックリしてた。 思い出すたびに、 嬉しくなる。 なぜだか、涙が零れた… 「っ…はぁ‥よしっ」 ピンキーはそのまま指にはめて、赤西の大好きなパスタを作ってやろうと台所に立った。 ピンキーをはめていることにビックリして、俺が「仁」って呼んだことにまたビックリして、料理を見て抱きついてきて、「好きだ」と言う彼が安易に想像できて、思わず顔が綻んだ。 そして 仁がつけてきたピンキーリングに 自分もビックリすることになるのは もう少し後のこと…。 END [*前へ] |