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「さっ!やるかぁ〜!」
今日は久々のオフ。
赤西が初めて一人暮ししてる部屋に来る。
前の赤西なら、強引に約束して、いきなりやって来てエッチして…
そんな感じだった。
その頃の俺は、何で赤西と付き合ってるのかわからなくなって…。
正直、もういい加減別れてやろうかと思ってた。
そんな時に赤西から留学の話を聞かされて、辛かった。
辛かったけど、ハッキリさせるいい機会だと思って、直接は話せなかったけど電話で…
『俺にはまだ少し理解できないけどさ──行ってくれば?それで、ちゃんと吸収して帰ってこい。──あと、これっていい機会だと思う』
『ぇ…?』
『俺さ…、最近なんで仁と付き合ってんのかわかんなくなってきた』
『はっ?』
『だってさ、最近お前仕事のやり方だっていい加減だったし、俺のことなんか関係なしに家に来てエッチするだけで…?俺ってお前の何なの…?』
『っ…ごめ』
『今更気付いて謝られても困る…』
『っ…‥』
『俺、これで何も変わらなかったら‥仁と別れる』
『っは?お前それマジで』
『マジだよ?…っまぁ、頑張って勉強してこいょ‥』
『ちょ、かめ』
『じゃぁねッ…』
そのあと俺は、声も出さずに号泣した。
メンバーは赤西がいなくて元気ないって思ってたみたいだけど、自分の気持ちが落ち着いてからメンバーに全部話した。
それから半年が過ぎて、赤西が帰って来て、仕事復帰も順調に進んでた。
そしたら昨日、明日はオフだと聞かされて、「ゆっくりできるー」と思ってたら…
『…亀?』
『ん?』
『明日さ…』
『うん』
『亀ん家行っていい?』
ちょっとビックリした。
こんなに謙虚に聞いてきた仁を見たのは何年か振りだったから。
『いいよ…?』
『じゃあ昼頃行くからっ…』
その時の赤西は、はにかんだ笑顔をしてて、赤西と初めてキスしたのを思い出して胸が締め付けられた。
それで今に至る。
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