page3 「ん゛ー‥赤西?っどしたの?」 「んっ!?ゃ、うぅん!何でもない!」 あーよかった。 バレてない…。 「っあれ、皆は?」 「あ、もうすぐリハだから、亀起こしてから来いって」 「え…あ、ゴメン。行こっか」 「ぁ、ちょっと待って!」 「ん?」 「あの‥さ。…亀のファーストキスって、いつだった?」 「はぁ?何それ(笑)‥ぁ、てかお前覚えてないの!?」 「は…?」 「信じらんない…。あの俺の屈辱的なファーストキス」 「?…意味わかんないけど…。」 「本っ当に覚えてないんだ……最悪」 そういって楽屋を出て行こうとした。 「ちょちょっ…!まってよ!何っ、おしえろよ」 「っ…ハァ…。お前だよ、ファーストキス」 「‥‥‥‥ぇえっ!?」 「お前が酔った勢いで、何思ったか俺に迫って来て無理矢理キスしたんだろがっ…。」 「まっ…まじ?」 「…‥ディープキスまでしたくせに………本っ当最低」 俺、何してんだよ! 当時の俺!!! しかも亀怒らせて…。 『お前向こう行っちゃってから、一番頑張ってたの亀だし。お前帰って来て安心したんじゃね?』 聖の言葉が、グサッと刺さった。 「っ‥‥───」 楽屋を出て行こうとする亀の後ろ姿を見たら、 昨日のシーンを思い出した。 体がスッと 勝手に動いて…── ―グッ 「っ?なんっ……───」 楽屋のドアに 背を向けさせて、 少し屈んで、 覗き込むようにして、 亀にキスした。 . [*前へ][次へ#] |