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「…もぅいいわ。っじゃな。」
そう言って屋上を出ていこうとした。
―ギュッ
「ばっ!止めろ!!」
「動かないで…。」
後ろから抱きしめられて超焦ってたら
今までに聞いたことのない草野の声がした。
「もう少し…このまま……。」
「っ…。」
背中にある体が震えてる。
泣いてんの?
何がそんなに哀しいわけ?
それは聞けない。
俺を抱きしめていた腕の力が緩む。
「修二?」
「ん?」
振り向いた瞬間
―ちゅっ
不意打ちのキス。
「奪っちゃったなりぃ〜♪んじゃばいちゃっ♪」
いつもみたいに手ひらひらさせながら階段をおりてった。
怒りなんて湧いてこなくて、
半分呆気に取られて、
赤かった眼が、
本当に泣いていた何よりの証だと上の空で考えて、
心の奥底で
トクンと云ったのは
まだ秘密にしておこう。
この憂鬱も
何時まで続くのだろう。
end
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