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―コンコン
―ガラッ
病室に入ると
横山君がヤスの手を握りながら椅子に座ってた。
みんながヤスのもとへ走ってったけど、
俺はそれができんかった。
ヤスの顔みれんくて、そこに佇んでた。
「たっちょん、はよ来ぃや。」
「っいい。」
「何でや「俺、何て声かけたらええねんっ。ヤスが目ぇ覚めた時、大丈夫か?なんて人事みたいなこと言われへん…」」
「っ大倉」
「っ…。」
「俺、薄々感じててんけど…ヤスも、お前のこと好きなんちゃうかなって、思っとったのに…。お前に何か言えば良かった…ゴメン。」
「っ…嘘ゃ「ヤス!っ大丈夫か?」!?」
「っまだ気持ち悪いか?」
「っ少し…。」
しんどそうなヤスの声が聞こえた。
「やっさん、どないしたん?」
内が苦笑しながらヤスを見た。
ヤスの表情はこっちからはわからんくて。
「え?あぁ〜、そんなひどい病気ちゃうのに皆がめっちゃ心配してるからっ、おかしなって…。」
気の抜けたヤスの声に
「アホかぁ!いきなり吐くからむ、めちゃっくちゃビビッてんぞ!!」
すばるくんの怒鳴り声が被さる。
「俺何したらええかわからんくなっても〜お母さんテンパっちゃう!;;」
マルのおばちゃんの真似に
「あはは…(笑)」
気が抜けた声で笑うヤス
「二、三日は吐き気あるらしいから、その間は仕事無理やて。」
「わかった。ありがとうな、横山君(笑)」
横山君が喋ったら、少し明るくなったヤスの声色
「ぉぅ…」
横山君の表情が少し曇る
「ほな、俺ら帰るわなっ(笑)」
それを察してか、村上くんが帰ろうと言い出した
「ぅん。みんなホンマごめんなぁ〜?」
「えぇて、あんま気にすんな。」
亮ちゃんが気遣うように言う。
「ぅん…」
曇るヤスの声。
「ほな、帰ろか?」
「やっさん、また来るな?(笑)」
「うん、ありがとう。」
みんながこっちに戻ってくる。
俺も帰ろうと思って踵を返したら
横山君にグイッと肩を掴まれた。
「お前、ここで帰ったら後悔するで。腹据えてちゃんと話せ。」
そう耳打ちされた。
みんなが病室のドアを閉めた。
ゆっくりヤスに近づくと、
ヤスが少し驚いたような顔をした。
「…たっちょん」
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