page6 ―コンコン ―ガラッ 病室に入ると 横山君がヤスの手を握りながら椅子に座ってた。 みんながヤスのもとへ走ってったけど、 俺はそれができんかった。 ヤスの顔みれんくて、そこに佇んでた。 「たっちょん、はよ来ぃや。」 「っいい。」 「何でや「俺、何て声かけたらええねんっ。ヤスが目ぇ覚めた時、大丈夫か?なんて人事みたいなこと言われへん…」」 「っ大倉」 「っ…。」 「俺、薄々感じててんけど…ヤスも、お前のこと好きなんちゃうかなって、思っとったのに…。お前に何か言えば良かった…ゴメン。」 「っ…嘘ゃ「ヤス!っ大丈夫か?」!?」 「っまだ気持ち悪いか?」 「っ少し…。」 しんどそうなヤスの声が聞こえた。 「やっさん、どないしたん?」 内が苦笑しながらヤスを見た。 ヤスの表情はこっちからはわからんくて。 「え?あぁ〜、そんなひどい病気ちゃうのに皆がめっちゃ心配してるからっ、おかしなって…。」 気の抜けたヤスの声に 「アホかぁ!いきなり吐くからむ、めちゃっくちゃビビッてんぞ!!」 すばるくんの怒鳴り声が被さる。 「俺何したらええかわからんくなっても〜お母さんテンパっちゃう!;;」 マルのおばちゃんの真似に 「あはは…(笑)」 気が抜けた声で笑うヤス 「二、三日は吐き気あるらしいから、その間は仕事無理やて。」 「わかった。ありがとうな、横山君(笑)」 横山君が喋ったら、少し明るくなったヤスの声色 「ぉぅ…」 横山君の表情が少し曇る 「ほな、俺ら帰るわなっ(笑)」 それを察してか、村上くんが帰ろうと言い出した 「ぅん。みんなホンマごめんなぁ〜?」 「えぇて、あんま気にすんな。」 亮ちゃんが気遣うように言う。 「ぅん…」 曇るヤスの声。 「ほな、帰ろか?」 「やっさん、また来るな?(笑)」 「うん、ありがとう。」 みんながこっちに戻ってくる。 俺も帰ろうと思って踵を返したら 横山君にグイッと肩を掴まれた。 「お前、ここで帰ったら後悔するで。腹据えてちゃんと話せ。」 そう耳打ちされた。 みんなが病室のドアを閉めた。 ゆっくりヤスに近づくと、 ヤスが少し驚いたような顔をした。 「…たっちょん」 . [*前へ][次へ#] |