page3/6
side K
「はぁ…」
赤西探しに行くなんて嘘つくだけのはずだったんだけど、やっぱり気にかかって探してる。
「はぁっ‥ったくどこ行ったんだよ……?」
非常階段のドアが軽く開いてて、いるかもしれないと思って開いてる隙間から覗いた。
「ぁ‥赤西」
ビンゴ。
赤西が口にタバコを加えようとしていた。
俺は慌てて近寄ってタバコを取り上げた。
「っ…!っ亀‥。」
「本番前に吸うなよ。臭いでバレるだろ…」
「っ……」
気まずい。
「っ迷惑かけたくなくて探しに来ただけだから。っ早く戻ってこいよ」
「っ待てよ…!」
―ガシッ
戻ろうと思って踵を返したら赤西に手首を掴まれた。
「っ!?」
昨日のこともあって、過剰反応してしまった。
「っごめん…。なぁ…」
「っ……」
「頼むから、避けるのは止めてくんねぇ…?」
昨日ぴぃの話打ち切ったから話の続きされるのかなとか、いろいろ頭に巡らせてビクビクしてたら予想外の答えだった。
しかも
すっごい悲しそうな声。
振り返って赤西の顔を見れば、犬が叱られたときみたいな顔してた。
なんか
久し振りに赤西をこんなに近くで見た気がする。
しかもいつの間にこんなに背伸びたんだろう…。
「はぁ…だからんな顔すんなっての…」
「えっ?何?」
「あのさ…っ昨日のことも含めて今からすることすぐ忘れてな?」
「はっ‥───」
また
抱きしめられた。
「なっ、赤西?ちょっ何して「亀うるさい…黙ってジッとしてろ」」
耳元で囁かれて、まるで魔法がかかったみたいに動けなくなった。
なぁ、赤西。
なんのため?
俺を試してるの?
全然意味わかんない。
全然意味わかんないんだけど
俺の自由な両腕は
自然と赤西の背中に回った…。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!