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「…お父さん、お父さんこんなところで寝たら風邪引くよっ。」
「っ…ん゙、知香…」
「とも…か…?っ何言ってんだよ、俺だよ和也。」
「和…、すまん‥。」
「あんまり酒飲み過ぎんなよ?」
「…和也‥」
「ん?」
「お前は本当、知香に‥お母さんにソックリだ…」
「え‥」
「知香…」
「っお父さぅわっ」
―ドサッ
「知香っ…」
「っおとんぅっ‥!?ンッ、んん!!んっあヤダッ!お父さん!!!」
「知香…」
「っ!俺は‥っお母さんじゃっ…!っい!ヤダッ、やめ、アッんぁっ、ヤダァッ…お父さッ…」
―カチャカチャ
ベルトが外される音がした瞬間、一気に血の気が引いた。
「っ!?ヤダヤダ!!!お父さん!!!ヤメテよ!!ねぇ!!!はっ‥んん…ヤ、メ…」
臍まわりに舌を這わされて体が震えた。
恐怖で涙が零れる。
「っ知香…」
「もうっ…ヤメ」
―バンッ!!
「亀ちゃん!!!」
「っ、竜ちゃ…」
竜ちゃんは慌てて部屋に入ると、俺の上にかぶさっていた父親を思いっきり突き飛ばした。
「っオジさん!あなた何をしてるかわかってるんですか!!!」
「っ!!…スマン、和也…っすまん!!」
「お父さ…」
「竜也くん‥和也を早く…」
そう言われて俺の部屋に戻ると、竜ちゃんが背中を擦ってくれた。
「…大丈夫?亀ちゃん…」
「大丈夫、だけど…お父さんが‥、なんか…可哀想で…―」
「だからってアレは許されることじゃないよ」
「うん、分かってる…」
その時俺は、お母さんの名前を切なく呼ぶ親父の声が頭から離れなくて、憎んでもいいはずなのに、憎めなかった。
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