page4/6 「…お父さん、お父さんこんなところで寝たら風邪引くよっ。」 「っ…ん゙、知香…」 「とも…か…?っ何言ってんだよ、俺だよ和也。」 「和…、すまん‥。」 「あんまり酒飲み過ぎんなよ?」 「…和也‥」 「ん?」 「お前は本当、知香に‥お母さんにソックリだ…」 「え‥」 「知香…」 「っお父さぅわっ」 ―ドサッ 「知香っ…」 「っおとんぅっ‥!?ンッ、んん!!んっあヤダッ!お父さん!!!」 「知香…」 「っ!俺は‥っお母さんじゃっ…!っい!ヤダッ、やめ、アッんぁっ、ヤダァッ…お父さッ…」 ―カチャカチャ ベルトが外される音がした瞬間、一気に血の気が引いた。 「っ!?ヤダヤダ!!!お父さん!!!ヤメテよ!!ねぇ!!!はっ‥んん…ヤ、メ…」 臍まわりに舌を這わされて体が震えた。 恐怖で涙が零れる。 「っ知香…」 「もうっ…ヤメ」 ―バンッ!! 「亀ちゃん!!!」 「っ、竜ちゃ…」 竜ちゃんは慌てて部屋に入ると、俺の上にかぶさっていた父親を思いっきり突き飛ばした。 「っオジさん!あなた何をしてるかわかってるんですか!!!」 「っ!!…スマン、和也…っすまん!!」 「お父さ…」 「竜也くん‥和也を早く…」 そう言われて俺の部屋に戻ると、竜ちゃんが背中を擦ってくれた。 「…大丈夫?亀ちゃん…」 「大丈夫、だけど…お父さんが‥、なんか…可哀想で…―」 「だからってアレは許されることじゃないよ」 「うん、分かってる…」 その時俺は、お母さんの名前を切なく呼ぶ親父の声が頭から離れなくて、憎んでもいいはずなのに、憎めなかった。 . [*前へ][次へ#] |