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ザーッ‥――




「……っ‥ゔ?」


気付いたら道端に倒れていて、空は曇り空で小雨が降っていた。


『……っ?此処、何処だ…』


茂みの中から覗いた世界は、俺がいた幻狼帝国とは全く違う。

でっけー建物に、雨の中忙しなく歩く…人間。


あれ?
狼の耳がない…。
尻尾も…。


『あ゙ーっ!ったくどうなって…ん?』


髪の毛を掻こうとした時、一瞬見えた自分の手がほっそくて毛むくじゃらに見えた…

あれ?

って俺狼になってんじゃん!

な、なんで!?


「わん!っ!?」


やっべ吠えちゃった!

あ〜も〜何でこんな事に!


『あ…そう言えば前に親父が、異世界に行ったら姿が狼にも人間にも自在に変えられるって言ってたな…』

するとでっけービルにある、これまたでっけースクリーンから何かの中継みたいなのが映し出された。


《こちらは日本テレビの一階ロビーに…――》


『日本…日本って、事は……此処は地球か?』

「…こから犬の声したよね?」

「うん、したした!」

『…っ!やっべ!』


さっきので地球人にばれたらしい。
赤いリュックみたいなん背負った二人の我鬼の声がする。


『っくそ!逃げるか!』


―ザッ!


「「キャー!!」」


車が行き交う中を上手いこと車をかわして走り抜けた。

振り返ると人間達はパニックになっていた。


『ふんっ(笑)様ァねぇな…』


そう思ってた時だった。


―ゴンッ!!


「キャインッ…!!」

『いぃっでェェ〜!!!っ〜…(泣)』


電柱にもろにぶつかった。


『俺一応王子なんだけど…何でこんな目に…(泣)』←自業自得


ジンジンと痛む頬辺りを冷たい風が霞む。


『これ絶対腫れる…はぁ…なんか雨強くなってきてっし。…腹減った……眠、ぃ…』


―バタッ


俺はそのまま意識を手放した。




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あきゅろす。
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