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鳳凰の宮学園
学園探検 4


眉間に皺を寄せて腕を大きく振って、大股で僕達の方へやって来た。



こ、恐い。
久我山のような不良ではないんだけど、この迫力はなんなんだろう?



少し長めの黒髪を7:3に分け、黒縁の眼鏡を掛けている。
その眼光の鋭いこと。



「お前達、1年生か?ここで何をしていた?」



僕は高圧的な態度が恐くて固まってしまった。



それは河上君達も同じだったらしく、背筋がしゃんと伸びていた。



「返事は?」



かろうじて一之瀬君が答えた。



「すいませんでした!役員以外、立ち入り禁止とは知りませんでした。」



黒縁眼鏡の人は、胡散臭げな目を向けた。



「あの、じゃあ俺達帰ります。失礼しました。っほら、帰るぞ!」



僕達は4階から走って下りて行った。



「はぁー、緊張したぁ!」



「ぼ、僕も。すごい迫力のある人だったね。」



「「!」」



河上君達は目を合わせてから、僕の方を見た。



「そっかぁ、領は転校生だから知らなかったよな。あの人は現・生徒会長の鳳凰 朱雀さんだ。3年生だから、もうすぐ卒業だけどな。」



「え?」



鳳凰って。
鳳凰 玄武さんのお兄さん?



まるで対称的だ。



「弟さんと全然似てないね。」



僕はポツリと行った。



その言葉に河上君達は、ビクッとした。



「領、今の言葉は禁句だ。絶対に誰にも言うんじゃないぞ!」



「う、うん。でも何で?」



一之瀬君が溜め息を吐いて。



「領、これは公然の秘密だから知っといた方がいいと思う。朱雀先輩と玄武先輩は兄弟だけど、血が繋がって無いんだ。だからさっきみたいな事は言わない。先輩方の親衛隊にでも聞かれたら領が大変な目に合うから。」



親衛隊?



芸能人とかにある、あれ?



「しんえいたい?」



僕はすっとんきょうな声を出した。



「そう!この学園は全寮制で男子校だから、憧れの対象が男になるんだ。」



「憧れ・・・。」



「だが、それだけに留まらず恋愛対象にもなってる。人気がある奴は寄ってくる輩が多いから統制する為に親衛隊が出来てるんだ。」



「はぁ・・・。」



「親衛隊に目をつけられたら制裁が待ってるから、なるべく近寄るなよ。特に鳳凰、久我山、桜木、フレデリックにはな。」





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