鳳凰の宮学園
学園探検 3
僕達は今、本棟にいた。
一之瀬君の話によると、本棟・東・西の1階が1年生の教室で、2階と3階が各々2年生・3年生の教室になっているそうだ。
本棟は特別クラスのみで、南棟がお金持ちクラス。
北棟が普通と不良クラス。
そして本棟の4階に生徒会室がある。
河上君達3人は何やら相談していた。
「「りょーうー!」」
3人の猫なで声に僕はちょっと引いてしまった。
「なに?」
「今から、この学園の生徒会室に行くぞ!」
生徒会室?
えっ、龍弥君?
あっ。
違う。
龍弥君は中等部だった。
ふふ。
今朝会ったばかりなのに。
早く会いたいだなんて思ってしまう。
明日が待ち遠しい。
「りょう!」
「わああー!」
河上君が僕の耳元で大声を出した。
「なに、ニヤケてんだよー。気持ち悪いぞー♪」
僕は恥ずかしくなって、首を竦めた。
「領、可愛い!」
「ラブリーだ!」
河上君と田嶋君に腕を組まれて、僕は両腕の自由を奪われた。
僕はそのままの状態で4階に上がって行くことに。
河上君と田嶋君は威勢のいいかけ声を挙げた。
「「let's go!」」
僕達が4階に着くと、そこは贅を極めた場所だった。
ここは、本当に学園ですよね?
廊下に熊や鹿の剥製が。
あの絵画って有名画家が描いたものじゃ。
花瓶もあんな大きいの見たことない。
僕達は場違いな場所に来てしまったみたいだ。
河上君達も初めて4階に来たみたいで、すごくはしゃいでいる。
「へぇー、4階って噂には聴いてたけど、すっげぇなぁ!」
「これじゃあ、一般生徒には敷居が高すぎるな。道理で生徒会には金持ちばっかなワケだ。」
そ、そうなんだ!
お金持ちしかいないんだぁ。
だったら、龍弥君もお金持ちなんだろうか?
「ヒヒヒ、く・ま、く・ま♪し・か、し・か♪」
河上君のとんでもない歌が聞こえてきて、僕は振り返った。
僕だけじゃなく、田嶋君も一之瀬君も耳を塞ぎながら近付き、河上君にチョップをかましていた。
フフフ。
ホント仲良いなぁ。
僕らが楽しんでいると、いきなり大声で怒鳴られた。
「誰だ?生徒会室の前にいるのは?」
その大声の持ち主は、階段から上がって来た。
「生徒会室が役員でないと入れないのは知っているのか?」
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