鳳凰の宮学園 朝 5 龍弥君は怪訝な顔をした。 「久我山?・・・久我山 蓮人?」 「下の名前は知らないんだ。金髪でピアスを着けてて目付きが鋭くて、態度が俺様な人。」 龍弥君は少し眉間に皺を寄せた。 「何もされなかった?」 僕は昨日の事を思い出した。 久我山と可愛い子とのベッドシーン。 そして人には言えない男同士のsex。 た、龍弥君には口が裂けても言えない。 いくら僕より大人っぽくても龍弥君は中学生なんだ。 あんなことを知ったら情操教育上、良くない。 そういえば、龍弥君って経験あるのかなぁ? 一見高校生に見えるし、カッコいいから女の子にモテそう。 「領?気分悪いのか?」 「へ?」 「青くなったり、赤くなったりしてる。大丈夫か?」 あぁ!考えてた事が表情に出てたんだ。 「ごめん大丈夫。ちょっと考え事をしてて。」 「久我山の事?」 「う、うん。それもある。」 龍弥君は真剣な表情で僕を見た。 「領、部屋を変えてもらうか?」 「ええー?」 「同室の久我山って奴は、色々噂のある奴だから、領が心配だ。」 僕は感動した。龍弥君は僕の事を心配してくれてる。昨日会ったばかりの僕を。僕は立ち上がった。 「だ、大丈夫だよ、龍弥君。恐そうだけど同室なんだし、滅多な事はしてこないと思うんだ。それになるべく会わないようにするし。後、3ヶ月の辛抱だもの。」 僕は力説した。喧嘩したら負けるだろうけど、年下の龍弥君に迷惑をかけるわけには行かない。 龍弥君は一瞬、吃驚したみたいだけど。 「そうか。」 って言ってくれた。 「でも、領、何かあったら何時でも相談に乗るから言ってくれ。俺はいつも領の味方になるから。」 龍弥君の言葉は僕の心に深く響いた。 「ありがとう。」 僕は嬉しかった。今までこんなに優しくされた事がないから、龍弥君の言葉は本当に凄く嬉しい。 「領、もう食べないのか?」 龍弥君がにこやかに聞いてきた。 「た、食べる!残したら勿体無いもん。」 僕は朝にしては結構な量の朝食を全て平らげた。 満腹だ! これだけ食べたんだから少しは身長伸びて欲しいなぁ。と思いつつ。龍弥君にお礼を言った。 「龍弥君、美味しい朝食ありがとう。ご馳走様でした。」 「領が喜んでくれれば俺は嬉しいよ。」 僕達は洋館を後にした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |