鳳凰の宮学園
朝 4
部屋にはとても良い匂いが漂っていた。
「食べようぜ。」
龍弥君が笑顔で言った。
「うん。」
僕達は両手を合わせてから声を揃えて言った。
「「頂きます。」」
僕はどの料理から食べたら良いものか迷った。どれも手をつけるのが勿体無くて。悩むなぁ!盛り付けも綺麗だし、壊したくないような一品ばかりだった。
「領、酒井さんのオススメはコレだぜ。」
龍弥君はオススメ料理を僕のお皿の上に乗せてくれた。
見ればそこにはフルーツトマトと生サーモンのマリネがあった。そしてキャビアが添えられている。一口サイズになっているから食べやすい。初めてキャビアを食べてみる。
「ーー!美味しい!」
「だろ!コレもイケるぜ」
龍弥君は次々に料理を乗せてくれた。もしかしてどれを食べようか悩んでるのが分かったのかなぁ?
「ありがとう龍弥君。」
龍弥君は優しいなぁ。昨日会ったばかりなのに、どうしてこんなに良くしてくれるんだろう?
転校生だからだろうか?
僕が自分の中に隠っていると、龍弥君が問いかけてきた。
「口に合うか?」
「うん、とっても美味しいよ!こんなに素敵な朝食を食べるの初めて。龍弥君本当にありがとう!」
「そうか、良かった。」
僕達は笑顔で食べ初めた。
酒井シェフの料理はどれも、とても美味しかった。普通の家庭では作れないような物ばかり。生徒会の人って毎朝こんな豪華な朝食を食べているんだろうか?
羨ましい!
だけど生徒会専用のシェフまで雇えるこの学園て凄い。お金持ちが多く通ってるから出来るんだろうな。
今日は朝早く起きて良かった。こんな素敵な時間がもてるなんて。龍弥君に感謝だ。
ふと顔を上げると龍弥君が僕を見ていた。
微笑んでる。
綺麗な顔だなぁ。女性らしいとかじゃなくて男らしいのに、そう思ってしまう。
「領、部屋は快適に過ごせそうか?」
「うん、とっても。凄く広い部屋なんだ。バスタブは大きくてゆったりしてるし、キッチンも付いてるから御飯も作れそう。二人部屋だけど何とかやってけると思う。」
多分・・・。僕は心の中で呟いた。
「二人部屋?あぁ、一年生はそうだったか。誰と同室なんだ?」
「久我山って人。」
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