鳳凰の宮学園 プロローグ 雪がヒラヒラと静かに舞っている。 今年のクリスマスは例年にないぐらい寒い。 そして僕の心も。 楽しいクリスマスを両親と過ごした後、離婚を告げられたのはつい1時間前。 仲の良かった二人が、別れるなんて。 一人っ子の僕は相談する兄弟がいない為、少し考えたくて近くの公園に来た。 「ハァ。どっちと暮らせばいいのかな?」 両親にどちらと暮らすかと問われていたのだ。 考えていると、冬の寒さで体温が急激に下がってきた。 「寒い」 はぁっと手に息を吹き掛ける。 「全くどちらかなんて選べる訳ないのに」 そう言葉にするとある考えが浮かんだ。 「そうだ!そうしよう」 僕はとてもいい考えが閃いた。 悩みが解決したら無性に両親に会いたくなった。 だって三人で暮らす日は限られているのだから。 [次へ#] [戻る] |