鳳凰の宮学園 掲示板 1 しろ〜いふさふさの毛並みに灰色の瞳。 凛とした佇まいが美しかったなぁ〜♪ 僕は学園に向かって歩きながら、先程見た白狐の事を思い出していた。 「うふふ。明日も会えると良いなぁ!」 「誰に会えると良いの?」 「ワッ!?」 すぐ傍で声を掛けられて、思わず身体がビクッと跳ねる。 「アハハ。驚かせてしまったみたいだね?おはよう、柊木君。」 魅惑的で中性的な声。 その声の持ち主を見ると、姿も中性的で美しい桜木君だった。 わぁ! 朝から話せるなんて、嬉しいなぁ。 教室では、休み時間やお昼休みにはいつも居ないから、中々話せなかったりするんだ。 「おはよう、桜木君!今日も雪が降り積もってて楽しいね。」 「そうだね。柊木君は雪が好きなの?」 「うん!この学園に来るまで触ったことがなかったから、嬉しくて。」 「フフッ。柊木君って可愛いね。」 桜木君の微笑んだ顔が凄く綺麗で、僕は彼が男だってことも忘れて、胸がときめいてしまった。 あ〜! どうしよう? なんか心臓がバクバクしてきた。 「柊木君、どうしたの?顔が真っ赤だ。」 そう言うなり、桜木君は僕の頬っぺたを触ってきた。 僕はビックリして桜木君を見る。 「あっ、ごめん。君があんまり可愛かったから、つい・・・。」 かぁ〜・・・///。 か、可愛いだなんて。 さ、桜木君目が悪いのかなぁ? どう見たって僕は可愛くないんだけど・・・。 「柊木君、本当にごめん。もう勝手に触ったりしないから顔上げて。」 まるで悪いことをしたかのように謝ってきた桜木君に、僕はキョトンとした。 「怒ってるよね?」 ええ? 怒る? 頬っぺに触ったこと? 「怒ってなんかないよ!ちょっと、ビックリしただけだよ。」 桜木君に向かって必死に言うと、桜木君はまたしても微笑んでくれた。 「良かった。」 う〜! 感動しちゃう。 こんな綺麗な人が、僕の目の前にいて、笑顔を向けてくれるなんて! 僕が幸せに浸っていると、桜木君がふと思い出したように、先程の僕の独り言を聞いてきた。 「そういえば誰に会えたの?」 「え?・・・あっ!あぁ、狐!白い狐を通学途中に見掛けたんだ。それがもう凄く綺麗で、こうなんていうか見てるだけで幸せだったから、明日も会いたいなぁって思って。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |