眠れぬ夜
教室 5
言い知れぬ快感が体の奥から沸き出してくる。
「ああぁー!やぁー!」
「ハァッ、ハァッ」
不動も絶頂が近いようだ。
僕の腰を掴んで挿入を繰り返し、前立腺を擦り続けた。
「鷺ノ宮、イキそうか?」
「・・・ん。ハァ。」
不動が僕にこんなこと聞いて来るなんて初めてだった。
前も後ろも動きを早めて僕達は一緒に果てた。
「あああああー!」
体が痙攣する。
僕の体は快楽に従順になった。
不動の熱さを受け入れて、何も考えられない。
快楽に浸っていると、僕のお尻に不動の指が入ってきた。
「あっ、やめ、」
「じっとしてろ。」
あまりにも優しい声が教室に響いた。
僕はいつも気を失っていたから、不動が処理してくれるのを初めて見た。
手際良く後処理をしてくれ、服を着るのを手伝ってくれた。
「立てるか?」
「・・・うん」
僕は立ち上がった。
足がガクッとなったが不動が僕を受け止めてくれた。
僕は不動の胸の中に収まった。
温かい。
「歩けるか?」
僕は頷いた。
不動は僕の鞄を持った。
受け取ろうとしたら。
「俺が持つ」
「え・・・?」
不動が教室を出ようとしたので追いかけたら、ふらついた。
目眩か。
頭を振って前を見たら不動が神妙な顔をしていた。
「目眩か?」
「あぁ。もう大丈夫だ。」
二人で学校の外に出た。
もう辺りは真っ暗になっていた。
「不動、鞄。」
僕はここで別れると思っていたから、不動にそう言った。
「お前を家まで送るから、構わない。」
「えっ?」
不動は僕の前をスタスタ歩き始めた。
どうして?
今日の不動は変だ。
なんで僕に優しくするんだ。
勘違いしてしまうじゃないか。
不動・・・。
僕は家に着くまで考え込んでいた。
だから不動が止まったのに気付かないで、背中にぶつかってしまった。
「わっ、ごめん。不動大丈夫か?」
不動に罵倒されるかと思ったが、何も言われなかった。
「着いたぞ。」
顔を上げると僕の家だった。
「あっ、ありがとう。送ってくれて。」
そう言うと不動は鞄を返してくれた。
そして、そのまま帰って行った。
その日から不動の奇妙な行動に、僕は胸が苦しくなっていった。
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