眠れぬ夜 屋上 1 最近の俺はどうかしている。 妙に苛々する。 喧嘩してねぇからとかsexしてねぇからとかじゃないってのは解ってる。 原因はあいつだ。 俺が好き勝手に扱って啼かしてる、鷺ノ宮玲。 最初は只、気に入らねぇから殴ってシメようと思っていた。 だがあいつを目の前にしたら、何故だか殴るなんて事出来なくて、犯しちまってた。 ハッ、犯す方があいつにとっては苦痛だったろうけどな。 「フゥー・・・」 俺は屋上で煙草をふかしていた。 授業をサボって日向ぼっこするのが毎日の日課になってる。 鷺ノ宮を抱くまでは学校には殆んど来なかった。 出席日数が足りればそれで良かった。 だがあいつを抱くようになってから勝手に足が学校に向く。 あいつの肌、啼かした時のなんともいえないあの表情。 今思い出しても欲情する。 毎日でも犯って鷺ノ宮を啼かしたいが、それだとあいつの体が持たないだろう。 何故かいつも乱暴に抱いてしまう。 手荒な真似はしたくないのに・・・な。 ハッ、俺は馬鹿か! 何が手荒だ。 あいつは男だ。 只の性欲処理だ。 俺の欲求さえ満たせばいい存在なはず。 俺の・・・。 駄目だ。 ガンッ! 腕をコンクリートに打ち付けた。 チッ、情けねぇ。 何考えてんだ? この俺としたことが。 ザワザワする。 考えたくも無いことが次から次へと頭に溢れて来る。 クソッ! 今度は頭をコンクリートの壁にぶつけた。 何度ぶつけても頭に浮かんだ考えが消えない。 暫く壁に寄り掛かりじっとして目を閉じていた。 長い息を吐く。 暑い。 もうすぐ夏だ。 去年、海で散々暴れたっけ。 「フッ、アハハハハ!」 そう!突然自分が誰なのか思い出した。 そうだ、俺は不動 紘平だ。 此処等へんを仕切る族の頭だ。 さっき浮かんだ考えは認めちゃいけねぇ。 いや、認めねぇ! 俺は自分を取り戻していった。 そしてポケットから携帯を取り出して、電話を掛けた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |